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高校入試の国語、選択肢を二つまで絞って間違える。最後の一つを「本文との違い」で選ぶ練習

国語の問題文と二つの選択肢を見比べ、違いをノートに整理する中学生の水彩画。

こんにちは。国語専門塾 国語ゼミの編集部です!

国語の選択問題で、最後の二つまでは絞れる。それなのに、迷って選んだ方が間違っている。解説を読むとわかるのに、次の模試でも同じことが起こる。

そんなときは、最後に何を比べているかを振り返ってみてください。「こちらの方が詳しい」「本文と同じ言葉が多い」といった印象だけで決めていないでしょうか。

二つを読み返して迷ったら、意味が分かれる箇所を見つけ、その違いを判断できる部分へ本文を読みに戻る。この操作を、一問ずつ練習してみましょう。この記事では、中学2〜3年生に向けて、説明的文章の自作例題と解き直しの方法を紹介します。

同じ単語が入っていても、同じ意味とは限らない

たとえば、「意見を出し合ったので、考えの違いに気づいた」と「考えの違いに気づいたので、意見を出し合った」。使っている言葉はよく似ていますが、何がきっかけとなったのかが違います。

選択肢も、単語が本文と重なっているだけでは正しいと判断できません。誰が何をしたのか、何が理由となり、どのような結論につながっているのかまで読む必要があります。

反対に、本文と表現が違っていても、意味が対応していれば適切な言い換えになり得ます。「本文に同じ言葉がない」という理由だけで消すのも避けたいところです。

比べ始める前には、設問も確認します。「筆者が対話を重視する理由」なのか、「筆者が紹介した別の人の意見」なのかで、探す内容は変わります。「適切なもの」「適切でないもの」のどちらを選ぶかも確かめてください。以下では、最も適切なものを一つ選ぶ問題を扱います。

選択肢を「誰が・何を・なぜ・どこまで」で確かめる

長い選択肢を一度に判断しにくいときは、文の意味を次の観点から確かめます。

観点 確認すること
誰が 筆者の考えか、紹介された別の人の考えか。行動するのは誰か。
何を どの行動・判断・変化を説明しているか。設問の対象と合うか。
なぜ 何が理由となり、どの結論につながるか。本文にない目的を足していないか。
どこまで 一部か全体か。可能性か断定か。条件や例外を落としていないか。

四つは確認のための観点です。すべての問題で四段階の作業をする必要はありません。残った二つで意味が違う箇所に注目し、必要な観点を使ってください。

選択肢を、誰が・何を・なぜ・どこまでの四つの観点で本文と照合する確認表。
四つは確認の観点です。毎回すべてを順番に点検する手順ではありません。
画像をタップすると拡大できます(新しいタブで開きます)。

誰の考えなのかを分ける

説明的文章には、筆者が賛成していない意見が紹介されることもあります。本文に出てきた内容だからといって、それが筆者の主張とは限りません。

「便利ならよい、と考える人もいる。しかし私は……」と続くなら、「便利ならよい」は誰の考えなのかを分けて読む必要があります。似た言葉を見つけたときほど、その前後の主語や、賛否の向きを確かめましょう。

理由と結論、言い切る範囲を確かめる

「〜ので」「〜ため」「〜ことで」の前後には、選択肢が示す理由や結果が現れます。復習では、その前後を分けて線を引くと、どの部分で本文とずれているかを確認しやすくなります。ただし、区切り方に決まった形があるわけではありません。

また、本文が「条件によっては役立つ」と述べているのに、選択肢が「どんな場合にも役立つ」としていれば、当てはまる範囲が広がっています。言葉が似ていても、条件が落ちると別の主張になります。

自作例題で、二つの選択肢を本文と照合する

次の文章・設問・選択肢は、この説明のために作成した架空の練習問題です。実際の入試問題ではありません。二つの選択肢が残った場面を想定しています。

異なる意見を聞くと、自分の考えが揺らぐことがある。それを避け、賛成してくれる人とだけ話していれば、安心は得られるだろう。しかし、自分が当然だと思っている前提に気づく機会は少なくなる。相手と結論が一致しなくても、その人がなぜそう考えるのかをたどるうちに、自分が見落としていた条件が見えてくる。対話の意味は、必ずしも意見を一つにまとめることにあるのではない。自分の判断を支えていた前提を点検できるところにある。

問いと選択肢

問い:筆者が、自分と異なる意見を持つ人との対話に意味があると考えるのはなぜですか。最も適切なものを選びなさい。

ア 相手がそう考える理由をたどることで、自分が当然だと思っていた前提や、見落としていた条件を点検できるから。

イ 自分が当然だと思っていた前提や、見落としていた条件を点検することで、相手と意見を一つにまとめられるから。

理由から結論までのつながりを比べる

正解はアです。アにもイにも「前提」「条件」「点検」という本文に対応する言葉があります。それでも、対話の意味をどこに置くかが違います。

比較するもの 出発点 そこから何につながるか
本文・ア 相手がそう考える理由をたどる 自分の前提や、見落とした条件を点検する
イ 自分の前提や条件を点検する 相手と意見を一つにまとめる

本文は、相手の考え方をたどることによって、自分の判断の土台を見直せると述べています。アはそのつながりを説明しています。

イは、本文が対話の意味として示した「点検」を、意見を一つにまとめるための手段に変えています。しかし、前提を点検すれば相手と意見をまとめられる、というつながりは本文では述べられていません。

ここで確認したいのは、「前提や条件を点検する」という言葉が入っているかだけではありません。その点検が、何によって可能になり、何のためのものとして説明されているかです。

架空の例題で、相手の理由をたどって自分の前提を点検するアと、点検から意見の一致へ進めてしまうイの違いを示す図。
架空の練習問題の比較です。イが示す「点検すれば意見をまとめられる」というつながりは、本文では確認できません。
画像をタップすると拡大できます(新しいタブで開きます)。

本文の一文だけでなく、前後を読む

根拠を探すときは、選択肢と似た言葉がある一文だけを切り取らないようにしましょう。今回の例題では、「相手と結論が一致しなくても」という条件と、最後の二文をつなげて読むと、意見の一致が欠かせない条件ではないことがわかります。

ただし、この本文は「意見が一致することには価値がない」「対話をしても意見は絶対に一致しない」とまで述べてはいません。イを選ばないために、本文にない反対の結論を作る必要はないのです。

実際の問題では、同じ段落だけで判断できないこともあります。指示語が受ける内容や、前の段落の具体例、後に述べられる結論まで、設問に必要な範囲で読み戻ります。「答えは必ず傍線部のすぐ近くにある」と位置だけで決めないようにしてください。

「必ず」「すべて」があれば消す、では解けない

強く言い切る言葉を見つけると、誤答だと判断したくなるかもしれません。しかし、確かめるべきなのは、本文も同じ範囲について述べているかです。

たとえば、架空の本文に「提出された三つの案は、いずれも費用の点で実現が難しい」とあれば、「三つの案はすべて費用面に課題がある」という説明は対応しています。「すべて」という言葉だけを理由に消すことはできません。

反対に、控えめな表現なら正しいとも限りません。先ほどのイを「相手と意見をまとめられることもあるから」に変えても、今回の問いが求める、筆者が対話に意味を認める理由を捉えた説明にはなりません。

「強いか弱いか」は確認の目印です。最終的には、本文が示す範囲と、設問が求める内容に戻って判断します。

家庭では一問だけ、選ぶ理由と選ばない理由を残す

二択で迷った問題を解き直すときは、解説を長く写す代わりに、次のような短いメモを作ってみてください。今回の例題なら、これだけでも比較の過程が残ります。

メモすること 今回の例
選択肢の違い アは前提の点検を対話の意味とし、イは意見の一致につなげている。
本文の根拠 「相手と結論が一致しなくても」と、最後の二文。
選ぶ理由・選ばない理由 アは本文のつながりに合う。イの、点検すれば意見をまとめられるという説明は本文では確認できない。
次の問題で変えること 同じ単語だけで選ばず、「〜ことで」の前後がどうつながるか確かめる。

正解を知る前の考えが残っていると、どこで判断が変わったかを比べられます。解説を読む前に迷った二つと気になった言葉だけでも印を付けておきましょう。すでに答えを見た場合は、当時の考えを無理に作らず、覚えていないところは「不明」で構いません。

負担が大きい日は、表を全部埋めなくても大丈夫です。「イのどの言葉が本文と合わないか」だけを一文にするところから始められます。

別の問題で、同じ確認ができるか試す

解説を見た後で説明できたことと、初めて読む問題で判断できることは分けて考えましょう。学校や塾で使っている教材の、まだ解いていない選択問題で、今回決めた確認を試します。

「〜ことで」の前後を確かめると決めたなら、次は、そのつながりを自分で本文と照合できたかを見ます。同じ表現がない問題でも、何が理由で、何が結論なのかという見方は使えます。

正解したかに加え、決め手を説明できたかも振り返ってください。長い記録は復習のためのものです。試験中に毎回この表を作る必要はなく、まず練習で判断の筋道を確かめます。

なお、残った二つのどちらも本文と合わない場合は、最初に消した選択肢と設問を見直します。「二択まで絞った」という判断自体が合っていたとは限りません。

説明できない二択は、判断の過程を相談する

本文の場所は見つかるのに判断できないなら、語句の意味を取り違えているのか、理由と結論の関係が曖昧なのか、設問の対象を見失っているのかを確かめたいところです。原因が重なる場合もあり、一問の間違いだけで決めつける必要はありません。

先生に質問するときは、問題文・選択肢・最初の解答・解説に加え、迷った箇所を持っていきましょう。「イも正しそうです」だけでなく、「本文のこの言葉から、意見をまとめることが目的だと考えました」と説明すると、自分の読み方を伝えられます。

説明しきれない場合も、線を引いた箇所や、わからなかった言葉が残っていれば相談の材料になります。保護者の方にすべての選択肢を採点し直してもらう必要はありません。

東京・代々木の国語専門塾・国語ゼミへの相談を検討している方も、まずは二択で迷った一問と、そのときのメモを用意してみてください。正解番号だけでは見えない、確かめたい点を伝える手がかりになります。

最後の一つは、本文との対応を説明して選ぶ

二つまで絞って間違えたら、「次はもっと注意する」で終えず、どの違いを見落としたかを確かめてみましょう。主体なのか、理由から結論へのつながりなのか、本文が述べる範囲なのか。違いが具体的になれば、次の問題で行うことも決められます。

まずは、手元の一問で選択肢の違う部分に線を引き、「こちらを選ぶ理由」と「もう一方を選ばない理由」を短く説明してみてください。その説明を支える本文の箇所まで示せるかが、見直しの出発点になります。

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