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国語ゼミ通信

保護者向け

併塾中のご家庭でできる、国語のフォロー。「教えない」ほうがうまくいく理由

執筆:国語ゼミスタッフ

食卓で、子どもが返却された答案について話し、保護者が横で聞いているイラスト

こんにちは。国語専門塾 国語ゼミの編集部です!

「算数と理科は上がったのに、国語だけが動かない」——大手進学塾に通うご家庭から、最も多くいただくご相談です。ご家庭でできることは確かにあります。ただし、それは「教えること」ではありません。

国語だけが上がらない、と感じたら

中学受験の国語は、成績の動きが見えにくい科目です。算数のように「この単元を潰したら上がった」という因果がはっきりしません。だから保護者の方は、何をしてよいかわからないまま、模試の結果だけを見て気を揉むことになります。

しかし、国語の伸び悩みには、たいてい原因があります。よくあるのは次の四つです。

  • 語彙が足りず、文章の意味が取れていない(知識の問題)
  • 読めてはいるが、設問の要求を読み違えている(設問処理の問題)
  • 記述で何を書けばよいかの基準を持っていない(型の問題)
  • 時間が足りず、後半が空欄になっている(処理速度の問題)

この四つは、対処法がまったく違います。まず、どれなのかを切り分けること。ご家庭でできる最も価値のある仕事は、実はここです。

ご家庭で「教える」ことをおすすめしない三つの理由

多くのご家庭が、国語のフォローを「一緒に問題を解いて教えること」だと考えます。しかし、これは避けたほうが無難です。理由は三つあります。

第一に、親子だと感情が入ります

同じ説明を三度繰り返したとき、他人なら保てる冷静さが、親子では保ちにくくなります。国語は正解の理由が説明しにくい科目なので、この摩擦がとりわけ起きやすい。

第二に、解法が塾と食い違います

大手進学塾には、塾ごとの解き方の指導があります。ご家庭で別の読み方を教えると、お子さんの中で手順が二重になり、かえって迷いが増えます。

第三に、大人は無意識に「答えから逆算して」読んでいます

大人が本文を読めば、正解の根拠はすぐ見つかります。しかしそれは、答えを先に知っているからです。この状態で「ここに書いてあるでしょう」と言っても、お子さんには再現できません。

ご家庭の役割は、教えることではなく、お子さんの思考を外に出させることです。

できること1:丸つけの前に、根拠を一つだけ聞く

最も効果が高く、最も負担が軽い方法です。宿題やテストの丸つけをする前に、一問だけ選んで、こう聞いてください。

「これ、どうしてこの答えにしたの? 本文のどこを見た?」

正解でも不正解でも構いません。むしろ正解した問題で聞くほうが有効です。まぐれで当たっているのか、根拠を持って選んでいるのかが、ここで見えます。

このとき、大人は評価をしないでください。「違うでしょう」も「そうだね」も要りません。ただ聞いて、お子さんが説明しきるまで待つ。説明しようとした瞬間に、本人の中で自分の読み方が対象化されます。それだけで十分な訓練になります。

国語ゼミが授業で「なぜその答えになるのか」を言葉にさせているのも、同じ理屈です。答えを配るのではなく、根拠を言語化させる。ご家庭では、その簡易版を週に数問やっていただくだけで効果があります。

できること2:語彙を生活のなかで拾う

語彙は、国語の土台であると同時に、ご家庭が最も関与しやすい領域です。

やり方は単純です。お子さんが意味を知らない言葉に出会ったとき、その場で放置しない。テレビでも、会話でも、道路の看板でも構いません。「それ、どういう意味かわかる?」と一言挟む。わからなければ一緒に調べる。それだけです。

漢字ドリルのような机上の作業と違い、生活のなかで出会った言葉は、文脈とともに記憶に残ります。中学受験の説明文で問われる概念語——「抽象」「普遍」「相対的」といった言葉——も、日常会話に混ぜてしまうほうが早く定着します。

模試の間違いを、知識不足・読み違い・設問の読み落とし・時間切れの四つに分類する図
模試が返ってきたら、点数ではなく間違いの「種類」を見ます。比率が、次に何をすべきかを示します。

できること3:間違いを「種類」で分ける

模試が返ってきたら、点数ではなく、間違いの種類を見てください。お子さんと一緒に、間違えた問題を次の四つに振り分けます。

  1. 知識不足:言葉の意味を知らなかった
  2. 読み違い:本文の内容を取り違えた
  3. 設問の読み落とし:本文は読めていたが、聞かれたことに答えていない
  4. 時間切れ:手をつけられなかった

5分あれば終わります。そして、この四つの比率が、次に何をすべきかをそのまま示します。1が多ければ語彙、3が多ければ設問処理の訓練、4が多ければ解く順番の設計——というように。

「国語ができない」という漠然とした認識を、対処可能な課題に変えるのが、この作業の目的です。塾の面談や、専門塾へのご相談の際にも、この分類があると話が早く進みます。

やらないほうがよいこと

逆に、善意で行われがちですが、逆効果になりやすいことを挙げておきます。

  • 記述答案を保護者が添削する:採点基準を持たない添削は、お子さんを混乱させます。「もっと詳しく」「まとめすぎ」といった感覚的な指摘は、基準にならないからです
  • 音読を毎日強制する:音読自体は有効ですが、罰のように課すと、国語そのものへの抵抗が育ちます
  • 読書量を責める:後述しますが、読書量と国語の成績は、思われているほど直結しません
  • 他科目の勉強時間を削って国語に充てる:国語は投下時間に対する伸びが最も遅い科目です。時間の再配分は、まず原因を特定してから

「読書量が足りない」は、たいてい原因ではない

最後に、最も広く信じられている誤解について。

国語の成績が伸びないとき、「本を読まないからだ」と結論づけられがちです。しかし実際には、よく本を読むのに国語の点が取れないお子さんは珍しくありません。逆に、ほとんど読書をしないのに国語が得意なお子さんもいます。

理由は単純で、読書と入試の国語は、要求される読み方が違うからです。読書は自分の興味に沿って読み進める行為ですが、入試国語は他人の設定した問いに、本文の記述を根拠として答える作業です。前者がいくら得意でも、後者の訓練にはなりません。

ですから、「読書させれば解決する」という発想は、いったん脇に置いてください。読書は文化的にきわめて価値のある習慣ですが、成績対策としては迂遠です。入試の国語に効くのは、入試の国語の訓練です。

記述の丸つけで手が止まったら

過去問の記述を読んでも何が足りないのかわからない、という段階に入ったら、採点がどう行われているかを知っておくと、返却された答案や塾の指摘が読めるようになります。添削するためではなく、読むためのものです(→ 中学受験の記述、家庭で添削しないほうがいい理由。それでも採点基準を知っておくと変わること)。

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