こんにちは。国語専門塾 国語ゼミの編集部です!
「何を書けばいいかわからない」「書いたけれど、これでいいのかわからない」——小論文のご相談で最も多いのが、この二つです。どちらも書く技術の問題ではなく、書く前の手順が原因です。
Column
こんにちは。国語専門塾 国語ゼミの編集部です!
「何を書けばいいかわからない」「書いたけれど、これでいいのかわからない」——小論文のご相談で最も多いのが、この二つです。どちらも書く技術の問題ではなく、書く前の手順が原因です。
まず前提の確認から。小論文でつまずく高校生の多くは、この科目を「自分の思いを自由に書くもの」だと考えています。だから書き出しで手が止まる。思いなど、そう都合よく湧いてこないからです。
小論文は、問いに対して、根拠を示しながら答える文章です。求められているのは思いの強さではなく、論証の妥当性です。「私はこう感じた」ではなく「こう考えられる。なぜなら——」の形で書く。この一点を理解するだけで、書き出しで止まる回数はかなり減ります。
そして論証である以上、評価の基準は明確です。採点者が見ているのは、おおむね次の三つです。
裏を返せば、この三つを外さなければ、文章の巧拙は決定的な差になりません。美しい表現より、外さない構造です。
答案が的外れになる原因のほとんどは、設問の読み違いです。書き始める前に、設問文を分解してください。
特に注意したいのが「あなたの考えを述べよ」という一文です。これは自由に書いてよいという意味ではありません。その直前に書かれた条件が、本当の設問であることがほとんどです。「筆者の主張をふまえて、あなたの考えを述べよ」なら、筆者の主張を正確に押さえていない答案は、その時点で減点対象になります。
課題文が付いている場合、いきなり自分の意見を書き始めてはいけません。先に、筆者の主張を100〜150字程度でまとめます。答案用紙に書く必要はありません。手元のメモで十分です。
この作業には二つの意味があります。ひとつは、筆者の主張を取り違えたまま論を進める事故を防ぐこと。もうひとつは、自分の意見を「筆者に対してどの位置に立つのか」という形で決められることです。全面的に賛成なのか、条件つきで賛成なのか、前提そのものを疑うのか。位置が決まれば、書くべきことは自然に絞られます。
国語ゼミが現代文の授業で要約訓練を重視しているのは、これが小論文に直結するからです。正しく読めない人が、正しく論じられることはありません。
書きながら考えるのは、最も失敗しやすいやり方です。時間内に破綻しない答案を書くには、型を持っておくこと。汎用的なのは次の四段構成です。
字数が600字なら、おおむね1割・1割・6割・2割が目安です。反論への応答を入れられるかどうかが、平凡な答案と評価される答案の分かれ目になります。自分の立場の弱点を自分で指摘し、それでもなお成り立つ理由を示せる答案は、思考の射程が広いと判断されます。
ここが独学で最も抜けやすい工程です。多くの高校生は、書いて、添削されて、そこで終わりにします。それでは伸びません。
添削された答案を、指摘をふまえてもう一度書き直す。この一往復があって初めて、指摘が技術として定着します。指摘を読んで「なるほど」と思うことと、次に自分で書けることのあいだには、大きな隔たりがあります。
国語ゼミの小論文指導では、添削とリライトを1セットとして扱います。3回目には、提出される答案が最初のものと明らかに変わります。
小論文には頻出テーマがあります。医療倫理、環境と経済、情報技術と社会、教育格差、地方と都市、多様性——学部系統によって偏りはありますが、まったくの初見という状況は減らせます。
やることは単純で、テーマごとに次の三点をメモしておくことです。
100字程度で構いません。知識そのものが評価されるわけではありませんが、知識がないと論の運びが浅くなります。「よくない」「大切だ」以上のことが書けない答案は、たいていここが不足しています。
小論文の参考書は数多くあり、書き方の型を学ぶだけなら独学でも可能です。それでも独学が難しいのは、自分の答案を自分で採点できないからです。
数学なら、答えが合っているかは自分でわかります。小論文はそうはいきません。論理の飛躍は、書いた本人には見えないからです。書いているときは筋が通っているように感じられる——それが飛躍の正体です。
だから、第三者に読んでもらう工程が不可欠になります。しかも、返却までに数週間かかる添削では、書いたときの思考が本人の中から消えています。指摘が記憶に残っているうちに書き直せるかどうかが、伸び方を大きく左右します。
総合型選抜・学校推薦型選抜を視野に入れているなら、高2の後半には着手したいところです。一般選抜との併願であっても、小論文の訓練は現代文の読解力に跳ね返るため、無駄になりません。
ただし、順序は間違えないでください。読めない段階で書く練習を積んでも、伸びは限定的です。現代文の読解——特に要約——を先に固め、そのうえで論述に進む。この順序が最短です。
志望理由書や面接も、小論文と同じく「問いに対して根拠を示しながら答える」訓練の延長にあります。「あなたが本当に何をしたいのか」を言語化する作業は、一人では堂々巡りになりがちです。第三者との対話のなかで整理していくほうが、はるかに早く輪郭が出ます。