こんにちは。国語専門塾 国語ゼミの編集部です!
記述問題には手をつけられるのに、書き終えると字数を大きく超えてしまう。削るように声をかけると、今度は理由の分からない短い答えになってしまう。中学受験の国語で、こうした書き直しに迷うことはありませんか。
字数を減らすときは、先に「問いに答えるために残す内容」を決めます。そのうえで、重複、まとめられる表現、不要な前置きを見直すと、どこを直すか考えやすくなります。小学校高学年のお子さんの答案を一緒に見る際に使えるよう、自作の例で説明します。
削る前に、問いと必要な内容を確かめる
長い答案には、同じ内容を繰り返している場合も、問われていない説明まで盛り込んでいる場合もあります。まず設問に戻り、「何について、何を説明するのか」をお子さんに確かめてもらいましょう。
次の課題文・設問・答案は、この記事のために作った例です。実際の入試問題や採点基準ではありません。
学級の鉢植えは、気づいた人が水をやることになっていた。ところが、水やりが重なる日がある一方、だれも水をやらない日もあった。そこで係は、担当する人と曜日を表にまとめて教室に貼り出した。
問い:係が水やりの担当表を掲示した理由を、40字以内で説明しなさい。
この問いで説明したいのは、担当表を掲示することで何を解決しようとしたかです。「担当する人と曜日を明らかにすること」と「水やりの重なりや抜けを防ぐこと」をつなげて答えると、その理由が伝わります。
「担当する人と曜日を知らせるため。」だけでは、知らせることで何を解決するのかが伝わりません。一方、「水やりをきちんとするため。」では、どのような問題を防ぐのかが曖昧です。短ければよいわけではないのです。
字数を減らす三つの直し方
見直す観点は、次の三つです。
- 重複をまとめる:同じ内容を言い直していないか。
- 表現を短くする:意味を変えずにまとめられるか。
- 前置きを見直す:設問の繰り返しは必要か。
これは、どの答案にも同じ順序で当てはめる決まりではありません。今回は違いを比べやすいよう、一つの答案を順に直してみます。

最初の答案は85字で、指定の40字を超えています。
係が水やりの担当表を掲示したのは、担当する人と曜日、つまりだれがいつ水をやるかを明らかにして、水やりが同じ日に重なることや、だれも水をやらない日ができることをなくすため。
以下の字数は、句読点も一字として数えています。引用符や改行は含めません。
1.同じ内容を言い直している部分をまとめる
「担当する人と曜日」と「だれがいつ水をやるか」は、この文では同じ内容です。両方を残さなくても、だれがいつ担当するかを明らかにするという意味は伝わります。
重複をまとめると、71字になります。
係が水やりの担当表を掲示したのは、担当する人と曜日を明らかにして、水やりが同じ日に重なることや、だれも水をやらない日ができることをなくすため。
ただし、同じ言葉が出てくるからといって削るのは早計です。この答案には「水やり」が繰り返し出てきますが、重なることと、だれもしないことは別の問題です。残すかどうかは、言葉の重なりではなく内容で判断します。
2.長い説明を、意味の合う短い表現にする
「水やりが同じ日に重なることや、だれも水をやらない日ができることをなくす」は、「水やりの重なりや抜けを防ぐ」とまとめられます。二つの問題をどちらも残している点が大切です。
ここまで直すと、49字になります。
係が水やりの担当表を掲示したのは、担当する人と曜日を明らかにして、水やりの重なりや抜けを防ぐため。
「抜け」を「忘れ」に置き換えると、元の文章にはない原因を付け足すことになります。水やりをしない日があったことは分かっても、忘れたとは書かれていません。短い言葉に置き換えたあとも、本文と同じ意味になっているか確かめましょう。
3.設問を繰り返す前置きを見直す
「係が水やりの担当表を掲示したのは」は、設問にある内容の繰り返しです。この問いでは、何の理由を答えているかが明らかなので、その前置きを省けます。
仕上げの例は32字です。
担当する人と曜日を明らかにして、水やりの重なりや抜けを防ぐため。
担当者と曜日を決めること、重なりと抜けを防ぐこと、そのつながりを残して、40字以内に収まりました。これは書き方の一例であり、唯一の答えではありません。
主語をいつも消せるわけではありません。複数の人物が登場し、だれの行動や気持ちか分かりにくくなる場合は、必要な主語を残します。

短くしたあとに、内容が落ちていないかを見る
字数に収まったら、設問と本文を読み直します。「理由」を聞かれているのに行動だけになっていないか、「気持ち」を聞かれているのに出来事だけになっていないかを確かめます。
とくに気をつけたいのは、原因と結果のつながり、対比、気持ちのきっかけです。「しかし」を削って前後の対照が伝わらなくなったり、「できなかった」の否定を落としたりすると、短くても意味が変わります。
40字以内なら、必ず40字近くまで埋める必要があるとは限りません。ただし、字数の下限や指定語句など、別の条件があれば従います。実際の採点は問題によって異なるため、この例の字数や書き方をそのまま採点の決まりにはしないでください。
家庭では、一問の一か所から書き直す
手元の教材から、字数を超えた答案を一つ選びます。最初の答案は消さず、お子さんに「問いに答えるために残したい内容」を指してもらいましょう。次に、同じ意味を繰り返しているところなど、直せそうな一か所に線を引き、別の欄に書き直します。
保護者の方は「何を短くしたの?」「残したのは、問いのどの部分に答えるため?」と尋ねます。細かな点数をつける必要はありません。元の答案と並べて、本人が変更した理由を説明できるかを見ます。負担が大きい日は、一つの表現を短くするだけでもかまいません。
何を残すか決められない場合は、言い回しの問題だけではない可能性があります。設問の読み取りや本文の根拠に戻って確認しましょう。また、書く前に必要な内容を短いメモにする方法も試せます。はじめから字数に合わせて削りながら書くより、答えの骨組みを確かめやすくなります。
同じ問題を直せても、答えを覚えているために書けた可能性は残ります。別の日に、まだ解いていない同じような記述問題で、必要な内容を選び、指定字数に収められるか確かめてください。内容は選べるのに時間内に直せないなら、時間の使い方も分けて見ていきます。
残す内容に迷うときは、最初の答案も相談材料に
家庭で判断しにくいのは、削ってよい表現と、答えに必要な内容との境目です。相談するときは、課題文と設問、最初の答案、書き直した答案、解説や添削があれば一緒に用意すると、迷った箇所を共有しやすくなります。
国語ゼミでは、1対1で根拠や考え方を確かめ、記述の添削と書き直しにつなげています。
まずは一問、必要な内容を残したまま短くできる表現を、お子さんと一か所探してみましょう。
